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ビデオ信号のしくみ
世の中にある様々な映像信号処理の機器の中で唯一カメラだけが実際の映像情報を電気信号に変換する機器なのです。
カメラによって電気信号に変換された信号をビデオ信号と呼びビデオ信号とは映像を表現する全ての信号を総称した呼び方です。ビデオ信号に変換するメカニズムは「CCDの原理」で説明しているので割愛させていただきますが、ビデオ信号の構成は
「輝度信号」「色度信号」「同期信号」の3つの信号から成り立っています。
■輝度信号
輝度信号は単純に画面の明暗を電気信号に変えて映像を作っており原理的には白黒テレビと同じですが、もともと光の強弱しか受光することのできないCCDが3色それぞれの輝度情報を受光するためにはCCDの前面にカラーフィルターを貼り付けることが必要で、このフィルターによりRGBの輝度情報を取り出すことが可能になります。
赤いフィルターを通った光は赤色の成分だけが取り出され「緑」「青」も同様の動作を行います。
右の図で白を「1.0」とした場合カラーフィルターが貼り付けられたCCDで被写体の光を3色に分光すると、RGBとも100%の光を電気信号として伝送することになります。
このままではカラーテレビに映る色の基準に一致しないためボリュームを使ってRGBの電圧を調整します。
理論上では白い画面を100%とした時、赤を撮影するとその輝度レベルは30%、緑を撮影すると59%、青を撮影すると11%とします。これは人間の目の特性を基準に決められた輝度のレベルなのです。
■色度信号
輝度信号「Y」はRGBの発光の割合が均一なので白黒画面になりますが、この発光の割合を変えればカラー信号になりこの光の割合を変えた信号のことを色度信号と呼んでいます。
NTSCの色度信号は原色のRGBから輝度信号Yを引いた色差信号を使用しています。
色差信号とはNTSCの色伝送方式で使用される色情報のことで、色差信号(R−Y)または(B−Y)は受像機側で輝度信号Yを加えるだけで原色信号の「R」または「B」を得ることができるのです。
(G−Y)信号は(R−Y)+(B−Y)+(Y)で作り出すことができることから色差信号は(R−Y)(B−Y)の2信号があればすべての色が再現できることになります。
人間の目の性質として大きいものは色も明度も見分けることができますが物体が小さくなるにつれて色を識別する能力は劣っていくと言われています。
このことから明度は細部まで再現する必要があるので輝度信号の周波数帯域は4.2MHzも与えていますが、色は細部まで再現する必要がないので色度信号の周波数帯域はI信号(オレンジ系の色)に1.5MHz、Q信号(シアン系の色)には0.5MHzしか与えていないのです。
モニターに色を再現させるためには色の三要素と呼ばれる「明度」「彩度」「色相」の三つの条件が必要です。
明度とは
色の明るさを表し同じ色でも照明を増やせば強く鮮やかに感じられ、この度合いを明度といい定量化したものを輝度と呼んでいます。
そして同じ色でも明度を上げると陽気な感じになり明度を下げると陰気な感じを受けるのです。
彩度とは
各色相ごとの鮮やかさの度合いを尺度化したもので飽和度ともいいます。
たとえば7色に映る虹の色にも沢山の色が存在し、その中には白みがかった淡い色も存在します。
この色の濃さの程度を表しているのが彩度ということになるのです。
彩度が全くない場合のことを無彩色といい、白黒テレビなどが無彩色な映像と呼びます。
色相とは
光の波長と関連をもつ属性であり、赤、黄、緑、水、青、紫などのように色を特性づける「色味」の量を表し色相が360度回転すると元の色に戻ります。
カラーテレビジョン方式では光の三原色であるRGBで色を表現し全ての色を合わせると白になり、絵の具で使う色の三原色は水色(シアン)藍色(マゼンタ)黄色(イエロー)の減色法で全ての色をまぜると黒になります。
■同期信号
テレビモニターの正確な位置に画面を表示させるには垂直と水平の位置の始まりをきっちり決めておく必要があり、モニター画面の水平方向の位置を決めている信号を水平同期信号(15.739KHz)と呼び垂直方向の位置を決めている信号を垂直同期信号(59.97KHz/フィールド)と呼んでいます。
水平同期信号
右の写真はアナログコンポジットビデオ信号全体の振幅を1/140に分割しIRE単位で表示する波形モニターで観測した水平同期信号の写真です。
バースト信号も同期信号の一種で映像に含まれるカラー信号に対する位相の同期を決めています。
2つ以上の素材映像によって映像を編集する時にはSCH位相の調整が必要になります。
SCH(SubCarrier Horizontal)位相とはサブキャリアー周期(バースト信号)の位相のことで、この位相を一致させなければ映像のつなぎの部分で色相が一瞬回る現象が発生することがあります。
ビデオ信号は映像信号100IRE、バースト信号40IRE、同期信号40IREで表示され映像信号(0.714Vp-p)と同期信号(0.286Vp-p)の振幅を合わせて1Vp-pとなります。
この1Vp-pの振幅よりも大きな信号が入力されると波形が歪んだりクリップされたり正常な映像が再現されないことがあり、逆に小さすぎてもS/Nが悪くなり正常な映像が再現されません。
垂直同期信号
右の写真は垂直同期信号の映像を波形モニターで観測した写真です。
映像の終わりから映像の始まりまでの何も無い真っ暗な間をブランキング期間と呼びこの中ではテレビ信号に関する様々なデーターが埋め込まれています。
垂直同期信号の右側にあるのが等化パルスと呼ばれるもので文字放送や字幕放送のデータ信号を重畳しています。
また、レンタルビデオをダビングするとコピーガード信号によって正常にダビングできないことがあります。
これは等化パルス上に重畳されるコピーガード信号(マクロビジョン信号)によって映像のゲインが操作され正常にダビングできなくなることが原因です。
写真のようにマクロビジョン信号は映像信号よりも大きい白と同期信号までの黒が交互に重畳されたパルスによって、ビデオデッキのAGC(Automatic Gain Control)回路が過敏に反応しゲインを正常に保とうと輝度が変動する訳です。
ここまでの話しはアナログコンポジットビデオ信号に関する話で、アナログがあればデジタルもあり、コンポジットがあればコンポーネントもある訳で。。。いろんな信号のお話はまた次の機会に。。。

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