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カタログスペックの読み方市場には一般ユーザーが手の届く価格でHDカメラが出揃い「x.v.Color」「シネマエフェクト」「SDカード記録」「HDD記録」など各メーカー特色を出して販売競争を繰り広げています。しかしこれだけたくさんの機種が発売されると、どのカメラを購入すればよいか判断に迷うところです。そこで一度購入すると滅多なとこでは買い換えない高価なビデオカメラを決める際の判断基準となるのが「カタログスペック」ではないでしょうか?簡単に「カタログスペック」と言ってもメーカーが出しているカタログ数値は測定条件が統一されている訳ではなく、メーカー独自の測定基準とカメラ独自のモードを使用してスペック表を作成しているため単純にカタログ数値だけを比較して判断することは難しいのが現状です。 とは言え全く無意味な物ではなく、ある程度信頼できる数値が記載されている事を前提としてビデオカメラを選ぶ参考になる物には間違いありません。 ここではカタログに記載されている主要機能を抜粋して各メーカーのカメラ性能と判断基準を独自の視点で考えてみました。
■カタログスペック比較表
撮像素子まず「カタログスペック表」から最も気になる主要性能項目として挙げられるのが撮像素子の種類ではないでしょうか?最近の撮像素子には「CCD」と「CMOS」二種類の素子が採用されています。CCDはビデオカメラの撮像素子として従来から多く使われていますが、最近ではプログレッシブCCDを採用するカメラも増えています。プログレッシブCCDの特徴は早い動きや手ぶれに対してボケにくく、クリアな映像を再現するためには理に適った転送方法だと言えます。短所としては消費電力が多くなる可能性があることでしょう。 CMOSは2005年3月ソニーが初めて民生用DVカメラに採用したことが始まりで、現在では多くのカメラで使われています。 CMOSはダイナミックレンジが広くスミアが出ないことが大きな特徴で、消費電力が少なくビデオカメラにはピッタリの撮像素子といえるでしょう。 フルHD映像を再現するためには1920x1080dotの解像度を満たす必要があるとの理屈から、撮像素子の画素数が1920x1080≒207万画素以上でなければならないという説もありますが、理想を追求すれば207万画素以上の撮像素子がRch、Gch、Bchと3枚必要な訳で、実際にこのようなカメラがあれば高価で見た目も不細工、消費電力も多く、使い勝手の悪いカメラになるでしょう。 放送局で現在使用されているHDカムコーダーでも1440x1080dotの解像度で十分通用しているわけですから画素数にそれほどこだわる必要は無いと思います。 現実的には現在市販されているカメラで十分綺麗な画を再現しているわけだから、比較する点としてはHDR-HC7(SONY)やiViS HV20(Canon)が採用している「CMOS」撮像素子とHDC-SD1(Panasonic)やGZ-HD7(Victor)が採用する「CCD」の特徴を理解しつつ映像表現力を実際に比較し、好みにあった発色やS/Nの良さなどを考慮して決めるべきでしょう。 記録メディアビデオカメラの記録メディアは「磁気テープ」から始まり「DVDディスク」「ハードディスク」「フレッシュメモリー」へと進化してきました。記録メディアの選定は個人の使用方法や保存方法などによって判断は分かれますが、ランニングコストや保存方法などを考慮して「カメラはあるけどメディアが・・・(>_<;」と言うことにならないよう後悔のない選択をしましょう!テープやDVDも永久ではなく、HDDやメモリーも常にデータの移動が必要ですからね。。。 動画記録規格ビデオカメラの記録フォーマットは統一されておらずメーカー独自の判断でビデオカメラに最適な記録方法を選択しています。HDR-HC7(SONY)のカタログ表では動画記録規格「MPEG-2」の記載がありますがiViS HV20(Canon)と同じHDVフォーマットを採用しています。HDC-SD1(Panasonic) は1セグ放送のフォーマットであるMPEG4-AVC/H.264を採用しています。MPEG4-AVC/H.264はMPEG2の2倍以上の符号化効率を持つ映像圧縮方式で、これからのデジタル記録フォーマットと言えるでしょう。GZ-HD7(Victor)はあえて発展途上のMPEG4-AVC/H.264を採用せず安定した実績のあるMPEG2-TS(Transport Stream)を採用しています。 レンズレンズ市場はビデオカメラがHD時代に突入し更に厳しい精度が要求されており、各メーカーはレンズブランドを前面に出して品質の高い描写力をアピールしています。カールツァイスやライカディコマーは海外の有名ブランドの一つですが、それらブランドロゴを取得するためには、それらメーカー独自の品質をクリアした物を作り出さなければならず容易にブランド名を付けているわけではありません。 AVメーカーのソニーや家電メーカーのパナソニックはレンズ製造に関してまだまだ歴史が浅く、それぞれのブランドロゴを取得するには大変な苦労を伴ったとことでしょう。一方キャノンはキャノンレンズの歴史も古く高い信頼性から海外ブランドに十分対抗できるだけの品質が保証されています。ビクターはフルHDとHDD記録を掲げ国内大手のフジノンレンズを採用して勝負を挑んでいます。放送業界ではフジノンレンズはキャノンレンズとシェアを二分するほど品質の高いレンズとして認められているのです。 ただカタログスペック表にはレンズの持つ解像度や変調度の記載がなくF値やf値の記載にとどまっています。F値はレンズが通す光の量を数値化したものでHDR-HC7(SONY)のカタログスペックではF=1.8〜F=2.9と記載されています。これはズーム位置によってF値が変化することを意味し、ズームレンズは必ず望遠側で光量が落ちてしまいます。レンズに入ってくる光の量を1としたとき撮像素子に入射される光量はF=1.8の場合で約1/3.2倍、F=2.9の場合だと約1/8.4倍になるのです。 その点GZ-HD7(Victor)は広角側のF値がF=1.8、望遠側のF値がF=1.9と殆ど落ち込みのないことが非常に評価できる点です。 レンズのF値はできるだけ明るいもの(数字の小さいもの)を選ぶことをオススメします。 カタログのf値については「f=40mm 〜 400mm」と記載があればレンズ倍率が10倍のズームレンズということになります。 最低被写体照度最低被写体照度とは反射率89.9%の白を認識するために必要な明るさのことを言います。暗い条件下で白を認識するためにはゲインアップやシャッター速度を可変したり、ナイトモードなど特殊な撮影をするなど様々な手法があります。カタログスペックでも測定する条件は各社統一ではなく「スローモード」とか「シャッター速度1/30秒」など、条件やモードが但し書きとして記載されています。ゲインアップすれば当然ノイズ成分も増幅されるためS/Nが悪くなります。また通常1/60秒のシャッター速度を1/30秒に落とせば撮像素子に蓄積される光が十分に集められ感度は上がりますが"ブレ"が多くなり残像が出ます。 最低被写体照度の性能はどちらかと言えばカメラのゲインアップ能力やノイズ除去能力を比べているようなもので、同一条件下で測定することは不可能です。 撮像素子の特徴で言えばCCDよりもCMOSの方が低照度に弱くS/Nが悪い傾向にありますが、モード設定や一定の条件下ではCCDよりもクリアーな画が得られるかもしれません。 消費電力消費電力は録画状態のときに消費する電力量を測定しています。しかしiViS HV20(Canon)のカタログスペックでは液晶使用時の消費電力の記載がなく、HDC-SD1(Panasonic)ではファインダー自体が存在しないので消費電力の比較はできません。但し消費電力が同じでも使用するバッテリーの性能や容量によって記録時間に差が出る訳ですから、おおよその目安にしかならないでしょう。 本体質量本体質量だけは統一された測定方法で比較することができる項目と言えるでしょう。ただしGZ-HD7(Victor) は記録メディアであるHDD自体が本体に組み込まれているため多少不公平感があるといえます。しかしながらGZ-HD7の質量「約665g」とHDC-SD1の質量「約430g」では「235g」の差があるわけですから常に缶コーヒー約1本分を余分に持っていることになるのです。 ビデオカメラは撮影中はもちろん移動中も常に持ち歩くわけですから軽くてコンパクトなカメラが望まれます。店頭で触れたときの感覚でイメージしていると後で後悔することになるでしょう。撮影当日には本体にバッテリーも装着され、予備バッテリーや三脚なども入れると結構な重さになるわけですからね。。。
■スペックだけが性能ではないこれまで述べてきた内容は数値化できて文章で説明できる事柄を羅列しているに過ぎません。ビデオカメラの性能とはスペック以外にもプロセス回路で行われる輪郭補正やノイズ除去、ガンマ補正、マトリックス処理など様々な映像処理回路が大きくかかわっています。黒から白へのリニアリティを数値化や言葉で表現することは難しく、実際にカメラの画を見ると画は暗く沈んだように見えるのに白飛びしていたり、全体の発色が良いのに赤がオレンジに映ってしまったりしています。 カタログスペックはあくまでも、そのカメラをイメージするための目安でしかなく実際の映像表現力は実機に触れて眼で確かめる以外方法はないのです。 |