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高速度カメラと高速電子シャターのちがい

高速度カメラと高速電子シャターのちがい

高速度カメラ高速電子シャターは文字通り「高速なものを撮影する」と言うことで混同してしまいがちですが原理は全然ちがいます。

プロ野球中継などでよく見るピッチャーが投げる瞬間の球をスローで再生するシーン。
この映像を通常のカメラで撮影しスロー再生すると"球の縫い目"がブレてしまいます。
しかしこの映像を高速度カメラを使って撮影すると"球の縫い目"まで鮮明に確認することができる映像になるのです。
なぜか?。。。この疑問をこれからひもときたいと思います。

■高速度カメラの原理

高速度カメラの原理は撮影時に通常1秒間に30フレームある映像データを100フレームや1000フレームで撮影し、
再生時にスロー再生することでブレの無い綺麗なスロー映像が再現できるしくみになっています。

高速度カメラの原点はもともと映画の世界では昔から使用されている技術で、1秒間に24コマのフィルム撮影を48コマで撮影することにより簡単に倍速のスロー映像を再現することが可能です。
この手法は現在の映画の世界以外でもCM撮影などでも多く使われています。
逆に24コマ以下でコマ落としすれば早送り映像となり、カンフー映画などでよく使われています。
このような原理を使ってフィルムの代わりにメモリーやハードディスクなどに記録するのが高速度ビデオカメラなのです。

一般的な高速度カメラの撮像素子の多くは光電変換速度に優れたCMOSを使ったモノクロ撮影を行いますが、放送用カメラではCCDを使ってカラー画像を最優先し低速ですが綺麗な画質を実現しています。

ではなぜCCDは高速度カメラに不向きなのか?というと画素一つ一つの番地に直接アクセスして電荷を取り出すCMOS素子の構造に対し、CCDは1画素に取り込んだ電荷をバケツリレーで電荷転送する構造になっているため、画素一つ一つで光電変換された電荷を順次バケツリレーしていたのではすぐに転送速度の限界に達してしまうからです。
この電荷転送方式の違いがCCD素子とCMOS素子の大きな違いなのです。

■高速電子シャッターの原理

一方通常のカメラで使用する高速電子シャッターは早いものをブレなく撮影できるように、CCDの光の取り込む速度を短くして瞬間のブレを極力少なくすることを目的としています。

ここで間違ってはいけないのが、フィルムカメラのシャッタースピードの可変とは使い方が違うということです。
フィルムカメラは静止画を扱いますからシャッタースピードは早いほど見やすい画になりますが、ビデオカメラは連続して画を取り込むため再生した映像はシャッタースピードが早いほどパラパラとしたコマ送りのような見づらい画になるのです。
このことは電子シャッターのしくみを知ることで簡単に理解できると思います。

ビデオカメラは通常1秒間に60回のシャッターを開けて動画を構成しています。
では1/250電子シャッターといえば1秒間に250回のシャッターを開ける?と思いがちですがそうではありません。
1/250とは1/250秒の瞬間でCCDに取り込んだ1コマの画という意味なのです。

図で表現すると下図のようにタイミングパルスの"H"の期間だけシャッターが開いてCCDに光を蓄積します。
1/250シャッターの場合4msecの期間シャッターは開きますが残りの12msecの映像は掃出しパルスによって捨てているのです。

電荷転送パスル
つまり通常撮影時では1/60秒間シャッターが開いて1秒間に30枚の画像を作り出すのに対し、1/250の電子シャッターを入れると1/250秒の期間だけシャッターが開いて1秒間に30枚の画像を作り出すのです。
当然シャッターが開いている間に撮影している被写体が動くと、その映像は"ブレ"として映像に現れますが、シャッターの開いている時間が短いと光が十分CCDに当らないため暗い映像になってしまいます。

たとえば下図のように画面を左から右に横切る"小さいオッサン"が走ったとします。
1/60のシャッター速度では16msecの期間CCDが画像を取り込むため"小さいオッサン"の画がブレてしまいます。
ところが1/250のシャッター速度では4msecしか画像を取り込まないので"小さいオッサン"はしっかりと確認できる訳です。

しかし残りの12msecの映像は捨ててしまっているので取りこぼしが多く記録映像には残っていません。
それに比べて高速度カメラはフレームレートが多くなればなるほど沢山の映像を記録しますから滑らかで綺麗な映像を記録に残すことができるのです。
...フレームレートとは1秒間に何枚の画を作り出すことができるかのフレーム数のことで○○fps(フレーム・パー・セコンド)で表現される。 小さいオッサンの画
電子シャッターとはゴルフのスイングなどでクラブがボールにミートする瞬間を静止画として確認するのには適していますが、それを動画として確認すると暗くてパラパラした見づらいだけの画になってしまいます。

監視カメラなどでは光量の調節にレンズアイリスを省略して電子シャッターによる光量調節が行われていますが、最近のDVカメラでもアイリスと併用して電子シャッターを自動的に入れる機種が増えています。

電子シャッターを入れることでDレンジの向上や被写界深度の確保、アイリスの回折による像のボケなどが抑えられる反面、S/Nは抑えることができないためアイリスやNDフィルターで減光するよりもノイズ感のある映像になっていまう弊害が発生します。

私が今までに電子シャッターを使った事といえば、50Hz電源で光っている蛍光灯のフリッカを抑えたり、ディスプレイを撮影する時に同期を合わせたり、リモコンが動いているかどうかセンサー部のLEDを撮影するときに使ったことぐらいでしょうか。。。^^;
...被写界深度とはレンズを挟んで焦点距離の反対側にある撮影される物対の前後のピントが合う範囲のこと。 ...NDフィルター(Neutral Density filter)はフィルターの中でも最も頻繁に使用するフィルターで色温度を変えることなく光の通過量のみを減衰させるため、被写界深度を変えたくない場合に使用する。



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