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進化する伝送方式昨今のデジタル伝送化が急速に成長を遂げている側面で、永きに渡り信号伝送の基礎を支えてきたアナログ伝送が終焉を迎えようとしています。デジタル伝送の普及により、今まで考えられなかった長距離、高速、広帯域の光伝送が現実のものとなりました。中でもインターネットによる映像配信や放送の多チャンネル化、HD信号の伝送などが回線のブロードバンド化を牽引しているようです。 ■アナログ信号の伝送アナログ信号の伝送は大きく分けて2通りの伝送方法に分類されます。一つは一本の線で映像信号を伝送するコンポジット信号の伝送と、もう一つが輝度信号と色信号を別々の線で伝送するコンポーネント信号の伝送とがあります。
■デジタル信号の伝送D1-SDI信号は従来3本必要だったコンポーネント信号の伝送を、コンポーネントのデジタル信号である輝度信号Y(13.5MHz)、色信号Pb(6.75MHz)、Pr(6.75MHz)の信号を時系列に読み出すことにより、1本の同軸ケーブルでコンポーネント信号を扱うことを可能にしました。デジタル信号の伝送は単純にコンポーネント信号を伝送できるだけではなく、伝送により減衰した信号をリクロックして元信号に復元することが可能となります。つまりデジタルでは「0」か「1」かの信号なので元信号が消えない限り理論上は復元することが可能なのです。(厳密に言えばジッターなどの問題で限界はありますが...)
■信号線の種類
同軸ケーブルの種類も太さや絶縁材質、編組シールドの種類によって区別されています。 似たような構造を持ったものにシールド線がありますが"同軸ケーブル"と"シールド線"の違いはケーブルの特性インピーダンスがJIS規格などで規定されているものを "同軸ケーブル" と呼び、編組シールドで覆われただけのものを"シールド線"と呼んでいます。 同軸ケーブルにはインピーダンス50Ωのケーブルと75Ωのケーブルの2種類が存在し、50Ωのケーブルは主に音声の伝送に使用され、75Ωのケーブルは映像の伝送に使用されています。 同軸ケーブルのインピーダンスとは直流成分を送る場合は抵抗値0Ωですが、映像信号などの周波数の高い信号に対しては75Ωの抵抗値が発生します。これは同軸ケーブルの芯線が交流成分にとってはコイルのような役目をするため高周波を流すとインダクタンスが発生し、シールド線の間にある絶縁体の発泡ポリエチレンがコンデンサの役目をしてキャパシタンスが発生するためです。 いずれにしても伝送する信号の周波数が高くなると、外部からのノイズに対する遮蔽性が重要となってきます。 具体的な例として「5C−FB(S)」の同軸ケーブル側面に表示されている意味を記載します。
従来の同軸ケーブルで扱っていたD1信号では、有効ピクセル数が720x486=349920で情報量も270Mbpsと少なかったのですが、HD信号では1920x1080=2073600とD1信号に対して約6倍のピクセル数を扱うため5C−FBケーブルでも約300dB/kmも減衰してしまいます。 そのためHD信号のような広帯域の信号を長距離伝送するためには減衰率を考慮した配線をしなければ伝送エラーによる障害が発生してしまい、メタル線に変わる新たな伝送方式である光伝送の導入が必要不可欠となってきたのです。
■光の性質
レーザー光線の基本的性質は「スネルの法則」により「直進」「屈折」「反射」の三要素に分類され、直進する光がある物体に入射したとき物体の境界面で発生する光の屈折と反射の法則を説いています。 たとえば水中に手をかざした時、目で見える位置と実際の位置が異なる現象が起こります。 この時、水面で起こっている現象が光の屈折なのです。 この原理を応用して光を遠くまで伝達する方法がレーザー光線による光伝送なのです。 光の伝送に使われるケーブルは内部が空洞になった光ファイバーを使用し、その材質によってレーザー光線の「屈折」「反射」「吸収」「分散」が発生するため材質の選定や不純物の配合には細心の注意が必要となります。 現在の光ファイバーで使用されているケーブルの材質は屈折率1.45の石英ガラス素材や屈折率1.49のプラスチック素材が多く使われています。
■光ファイバーの構造光ファイバーは「コア」と「クラッド」の同心二層構造で構成され「コア」が光を伝送しコアを覆うように外周に「クラッド」がコアとは異なる屈折率でコア内部の光を全反射することによりレーザー光がファイバー内をジグザグに進み、進行する経路(モード)の種類によって2種類のモードに分けられます。経路(モード)が複数(マルチ)の経路を経て伝送されるファイバーをマルチモード光ファイバー(Multimode Optical Fiber)、経路(モード)が単一(シングル)のファイバーをシングルモード光ファイバー(Singlemode Optical Fiber)と呼んでいます。 マルチモード光ファイバー(Multimode Optical Fiber)の特徴はコア径が太く、レーザー光が多くのモードに分散して伝送され、屈折や衝撃に対して強く、ファイバ同士の接続やファイバと機器との接続が比較的容易にできて安価である反面、伝送損失が大きく長距離伝送には不向きです。 一方、シングルモード光ファイバー(Singlemode Optical Fiber)はコア径が細く、光が単一のモードで伝送され、伝送損失等が小さく長距離伝送に向いていますが、ファイバーが細くて曲げに弱く、ファイバー同士の接続やファイバと機器との接続に高い機械的精度が必要で高価なファイバーです。 マルチモード光ファイバーはコアの屈折率分布によって「ステップインデックス」と「グレーデッドインデックス」の2種類に分けられ、シングルモード光ファイバーは分散波長により数種類のモードタイプに分けられますが、代表的な形式はデータ伝送などのLANで使用される「グレーデッドインデックス」と映像信号や音声信号で使用される「汎用シングルモード」です。 SIファイバー(Multimode Step Index Fiber) コア径の大きいファイバーで伝送される光は様々な経路に分散して伝送され、光の分散が大きく伝送距離は500m程度で、安価ですがあまり使われていないファイバーです。 GIファイバー(Multimode Graded Step Index Fiber) SIファイバーよりもコア径が小さく50μ〜85μで伝送されコアの中心から外径に行くに従って反射率を低く設定しています。屈折率が低いと伝送速度が速く通信速度を重視するLANやコンピューター間のデータ伝送によく使われています。 SMファイバー(Singlemode Step Index Fiber) マルチモードファイバーとは異なりファイバー内部の光の分散を無くして一つのモード(経路)で伝送するようにコア径を小さくし5μ〜10μ程度のコア内を光伝送します。 映像信号の伝送に使用されているのがこのファイバーで1310nm帯に零分散波長があるSMファイバーは50〜100GHzの帯域特性があり1.5GHzのHD信号を伝送しても0.5dB/kmしか損失がなく、50kmまで増幅器なしで伝送が出来る非常に低損失な特徴をもっています。
■光ファイバーの取り扱い光伝送は送り側機器でデジタル信号のE/O(Erectic_to_Optical)変換を行い光ファイバー内を伝送されて、受け側機器でO/E(Optical_to_Erectic)変換を行い元の信号に復元しています。つまり光伝送はE/O(Erectic_to_Optical)・O/E(Optical_to_Erectic)変換の性能と寿命に大きく依存し、現在のLEDの寿命は約5万〜10万時間と言われており、伝送損失も1.3μm波長帯で0.5dB/km、1.55μm波長帯で0.2dB/km程度です。 しかし良い面ばかりではなく光ケーブルは屈折に弱く光ケーブルの直径の6倍のR半径以内に曲げてしまうと折れてしまうデリケートな側面があり、汚れにも弱くコネクター接続部分に小さな埃が付着しただけでも映像が断する可能性があります。 下図のように光コードのコネクターには"FCコネクター(ねじ式)"と"SCコネクター(ワンタッチ式)"などがあり、脱着は簡単に行えますが現場で断線などのトラブルが発生したときに同軸ケーブルに比べて加工が難しく応急処置ができないなどの難点があり、まだまだ同軸ケーブルの需要がなくなることはないでしょう。
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